キミがいた証
それから俺は優斗と別れ、家に帰ったんだ。
この会話が誰かに聞かれているとも知らずに―――……
「ただいま。」
そう言って家に入ると、真白が笑顔で
「お帰り、お兄ちゃん!」
と言ってくれた。
やっぱり可愛くて仕方がない。
「あのね、お兄ちゃん!実は…あーーーーー!!!!!」
喋りだしたと思えば、いきなり真白が叫びだした。
「け…け、けけけけ…!!!」
け…?
「どうした?」
そう優しく聞くと
「お兄ちゃん、怪我してるーーー!!!」
「あ。」
やば、誤魔化すの忘れてた…
「消毒箱ーーー!!!」
真白は走って取りに行った。
だから、やられてもやり返さない。