二重世界

「君がこれから進む道は何億通りという道に枝分かれしている。だがその中で一通りだけ、生へと繋がる道がある」


メイフはさらっと、信じられない一言を言い放った。


「え？今なんて…？」


「数億分の１だけ、死を乗り越える道があると言ったんだ」


「数億分の１…？そんなの不可能じゃない…」


「だが実際に生き返る者もいる。あの男のようにね」


「あの男…！？あの男も一度死んだの！？夢の中で人を殺せる能力も、そのせいなの！？」


「そうだ」


「一度冥界へ行ってしまったら？」


「もう戻れない」


「ならば、冥界へたどり着く前に引き返せば良いって事？」


「君の言うとおりだ。しかし、どの分かれ道で冥界にたどり着くかなどわからない。もしかしたら最初の分かれ道でいきなり冥界に着いてしまうかもしれない」