二重世界
そう考えた瞬間、私の体にゾクリと寒気が襲ってきた。


「な、何、この感じ?嫌だ……。何かが来る!」


前方からゆっくりと足音が近付いてきた。
嫌な感じはますます大きくなる。



逃げなきゃ……!



私は近付いてくる何者かから逃げるために再び走り出した。


私は無我夢中で走った。さっきの足音は、近付いてはいないみたいだ。


立ち止まって耳を澄ますと、突然頭上からボトッと何かが目の前に落ちてきた。サッカーボールくらいの大きさのそれは、コロコロと転がる。


「何!?」


良く見るとそれは、骸骨の頭の部分……。


「ひっ……!」


私が恐怖で足がすくんでいると、今度は右足に冷たいモノが絡みついてきた。


「嫌ぁ!!」


脇の壁の下方から伸びてきた骸骨の手が、私の足を掴んでいたのである。
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