二重世界
暗闇に目の慣れた私は、驚いて香織の顔を見てみる。すると香織は、私がドキッとしてしまう程、妙に色っぽい目付きをしていた。

いつもの天真爛漫な香織じゃない。これが夜中の魔力……!?

考えてみれば香織は背が高くてスタイル良いし、顔も綺麗。性格もお姉さんだから、妖艶になれる素質は十分に秘めている。


(香織、舌が……!)


「んあっ!か、香織、ちょ、ちょっと落ち着いて!」


私は顔を背けて自分の口を解放させた。香織は左手一本で私の両手を押さえている。

すると香織の右手人差し指が、私のおへそのあたりを怪しくなぞり始めた。


「ひっ!な、何……!?」


香織の突然の豹変ぶりに、もう私はパニック状態である。


「詩織……、遠慮しないで……」


「し、してない、してない!!」




「イカせてあげる……」
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