二重世界
そんな衝撃発言をした後、香織の右手が、私のおへそから胸へとゆっくりとせり上がってくる。


「ひえぇっ!ダメダメ!冗談でしょ~!?」


香織の手が、無防備な私の胸を……


「ほんとにダメ~!……え?……はっ!ぐっ!」


通りすぎて、私の喉を掴み、そのまま首を……


「言ったでしょ?逝かせてあげる、て」


(か、香織、どうして……。まさか、夢の中で‘あの男'が……?く、苦しい……、意識が…………)



意識が分断される直前、私は全力で足をバタつかせた。
その足掻きが活き、私の膝が香織のお腹を直撃した。


「うぐっ!」


ベッドでお腹をおさえ、うずくまる香織。自由を取り戻した私は、ベッドから降り、部屋の電気をつけた。
香織は尋常ではない目付きをしている。


「香織、目を覚まして!」


そんな私の声に耳も貸さず、香織は私に飛びかかってきた。
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