二重世界
「私は大丈夫。でも……か、かお……」
言葉が出ない。
香織の安否を確認したいのに。
でも結果を知るのが怖い。もし亮ちゃんが無言で、答えに困ってたりしたらどうしよう。
私は言葉が出ないまま膝をつき、そして涙が止めどなく溢れてきた。
(言えねえ。跳ねられた衝撃で折れた肋骨が内臓に突き刺さって重体だなんて。地面に叩きつけられた際に頭も打ってる。ヒロミが死んだ時と同じだ。即死じゃないだけマシだけど、おそらく……)
亮ちゃんは黙って座っていた。どこを見つめるでもなく、斜め下を向いたまま。
その姿が、香織の容態を表しているようだった。
「香織は……どこ……?」
「い、いや、今は……。面会謝絶だ」
「香織のとこに行く」
「今行っても意味ねえ!それに……」
(三輪の両親に会ったらお前、耐えられんのか!?)
「とにかく、今はここにいろ!」
言葉が出ない。
香織の安否を確認したいのに。
でも結果を知るのが怖い。もし亮ちゃんが無言で、答えに困ってたりしたらどうしよう。
私は言葉が出ないまま膝をつき、そして涙が止めどなく溢れてきた。
(言えねえ。跳ねられた衝撃で折れた肋骨が内臓に突き刺さって重体だなんて。地面に叩きつけられた際に頭も打ってる。ヒロミが死んだ時と同じだ。即死じゃないだけマシだけど、おそらく……)
亮ちゃんは黙って座っていた。どこを見つめるでもなく、斜め下を向いたまま。
その姿が、香織の容態を表しているようだった。
「香織は……どこ……?」
「い、いや、今は……。面会謝絶だ」
「香織のとこに行く」
「今行っても意味ねえ!それに……」
(三輪の両親に会ったらお前、耐えられんのか!?)
「とにかく、今はここにいろ!」