二重世界
過去へ……
私の2次世界は過去。
前回は夢の中で発動した。

あの時は、片瀬詩織の記憶がない空白の時間を思い出そうとして、いつの間にか眠ってた。

今回も同じような方法で試すしかない。


でも、寝なきゃいけないとなると、逆に寝られない……。

亮ちゃんのあんな話を聞いた後だし、ますます眠気が起こらない。

とにかく、目を瞑って夜中に戻る事をイメージしていよう。



…………。


……………!


……………!!



「はあっ、はあっ……、ずっと念じてるから、全く眠くならないわ」


かなりの時間が経過したと思う。
私は少し疲れて、目を開いた。


「なんだか、真っ暗……。あれ?」


周りが暗い。
そして背中に人の温もりを感じる。


「香織!?今何時……!?」


時計を見ると、夜中の1時を回った時だった。


「戻った!香織が目覚めた時、確か2時過ぎって言ってた……。急がないと!」
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