二重世界
「ぶつかる!!」
「私を信じて香織!」
目の前に迫る壁。
激突すると見えた私達は、壁を抜け外へ出る事に成功した。
「む、気付いたか!しかし何故あそこが出口だと!?……あれも藤瀬ヒロミの‘絶対感覚'によるものか」
この世界は限りなく現実に近い夢の中。
際限なく広がる世界なはずだ。
根拠はあった。
私が過去の2次世界に入ったとき、アオは最初の建物から遥か遠くまで移動した。
それはきっと‘夢'を土台とする2次世界は、現実と同じ空間がある事を意味するという事実。
お化け屋敷の時のように、限られた空間の場合、操作出来る事象は多い。
しかし広大なこの2次世界において、操作出来る事はわずかだと思った。
道場に閉じ込めたいならば、出口を操作すれば良い事。
「思った通りだわ!」
「詩織、あんた……本当に詩織なの!?」
「何、バカな事言ってるの!遠くに逃げるわよ!」
「私を信じて香織!」
目の前に迫る壁。
激突すると見えた私達は、壁を抜け外へ出る事に成功した。
「む、気付いたか!しかし何故あそこが出口だと!?……あれも藤瀬ヒロミの‘絶対感覚'によるものか」
この世界は限りなく現実に近い夢の中。
際限なく広がる世界なはずだ。
根拠はあった。
私が過去の2次世界に入ったとき、アオは最初の建物から遥か遠くまで移動した。
それはきっと‘夢'を土台とする2次世界は、現実と同じ空間がある事を意味するという事実。
お化け屋敷の時のように、限られた空間の場合、操作出来る事象は多い。
しかし広大なこの2次世界において、操作出来る事はわずかだと思った。
道場に閉じ込めたいならば、出口を操作すれば良い事。
「思った通りだわ!」
「詩織、あんた……本当に詩織なの!?」
「何、バカな事言ってるの!遠くに逃げるわよ!」