二重世界
その後わかった事は、通りすぎた後のゴールへの扉は消えるが、ゴールではない扉は残っている事。

つまり、だいぶ進んでから、違う道を選べば良かったと思えば、通り抜けた分かれ道に戻り、違う道を進む事が出来る。

私は自分の感覚を信じ、進んでは戻り、戻っては進み、を繰り返した。




既に数えきれない程の扉を開けた。実際の時間だと、何ヵ月?いや、何年も経っているかもしれない。

現世でも同じ時間が経過してるのだろうか?

私が死んだ、2010年5月3日から何年も経っているのかな?

だとしたら私の体は?とっくに火葬されて、戻るべき体がないんじゃ……?


この頃になると、そんな考えが何度も何度も頭をよぎる。


「でも進むしかないわよね」
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