二重世界
そして、私の目の前に、何個目かわからない扉が2つ。

私はなんとなく感じている。


「これが、最後の決断かもしれない……」


私が感じたのは、どちらの扉を開けてもゴールだという事。

今までこんな事はなかった。どちらかの扉はゴールだろう、という感覚はあっても、必ず逆の扉はまだ続いていく感じがしていたのだ。


「ふう……。どちらも嫌な感じがするわ。ここまで迷いに迷って、冥界へ逆らってきたからには、録でもない冥界しか残されてないはずだもんね」


嫌な感覚はどちらも同じくらい強い。つまり、生き返ったとしても、目を背けたくなるような現実が待っている、という事だろう。


「そんな事は覚悟していたわ。最初に左の扉を開けた時からね……!」


私は強い決意と願いをこめて、左の扉を開けた。


扉を開けた先には眩い光しか見えない。体が自然に吸い込まれて行く。


「どっち…!?」


私は目を開けていられず、次第に意識も薄れていった―――。
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