二重世界
(目……?まさか!?)


そしてその円の中心から、1人の男性が出てきた。


「君、後ろに下がってて。邪魔だから」


「え?」


亮二が振り替えって男を見ると、やや伸びた黒髪、白い肌。そして青い目……


(アオ!?なぜ貴様がここにいる!?貴様は……)


突如現れた男は、まぎれもなく、アオだった。


「珍しいヤツがいるなあ。‘デリート'じゃないヤツが慣れない事しちゃダメだよ?」


アオは無邪気に笑いながら、帽子に近づく。


「指令ならデリートが来るはず。指令以外で殺しちゃったらボスに消されちゃうよ。大丈夫?」


(本物か……?)



『戻れ‘色世(しきよ)'』



(ボス!?わかりました)


帽子……色世が‘ボス'と読んだ者の声は、色世の頭に直接語りかけていた。

ボスの指示を受け、色世の2次世界は次第に現実世界へと変わっていく。


「あいつは!?」


「もういないよ」
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