二重世界
時刻は夜中の1時過ぎ。
亮二は詩織の手を握りながらさっきの出来事が頭をグルグルと回っていた。
「あの蛇野郎は味方じゃねえのか?ちっ、嫌なヤツに助けられちまったな。……もし、またさっきみたいなヤツらが現れたら、俺はヒロミを守れるのか?」
亮二は色世との戦いを経て、自分の特別な力に自信を持つどころか、逆に絶望的とも言える力の差を見せつけられて不安感を募らせるばかりだ。
「ヒロミは、あの蛇野郎を救ったのか。あのとんでもない威圧感を持ったヤツを。……もしかして、俺はヒロミの足手まといになるんじゃねえか?」
自分の知らないヒロミがいる。そして自分には、ヒロミを守る力がないのではないか。
そんなマイナスの感情が、ひたすら亮二の焦燥を生み出していく。
「情けねえ!俺は体だけじゃなく心も弱えのかよ!……ヒロミ。くそっ」
‘亮ちゃんは強いよ'
亮二は詩織の手を握りながらさっきの出来事が頭をグルグルと回っていた。
「あの蛇野郎は味方じゃねえのか?ちっ、嫌なヤツに助けられちまったな。……もし、またさっきみたいなヤツらが現れたら、俺はヒロミを守れるのか?」
亮二は色世との戦いを経て、自分の特別な力に自信を持つどころか、逆に絶望的とも言える力の差を見せつけられて不安感を募らせるばかりだ。
「ヒロミは、あの蛇野郎を救ったのか。あのとんでもない威圧感を持ったヤツを。……もしかして、俺はヒロミの足手まといになるんじゃねえか?」
自分の知らないヒロミがいる。そして自分には、ヒロミを守る力がないのではないか。
そんなマイナスの感情が、ひたすら亮二の焦燥を生み出していく。
「情けねえ!俺は体だけじゃなく心も弱えのかよ!……ヒロミ。くそっ」
‘亮ちゃんは強いよ'