二重世界
その功績で本庁勤務となった坪倉は、その後も未解決事件や難解な事件を解決していく。

坪倉がいくつかの、正体不明の突然死の件で壁に当たった時、彼の前に牧野 忠が現れた。

その少し前、牧野は新米刑事として、強盗犯に腹部を刺された。
内蔵損傷と出血多量で死亡確認後、‘迅速で的確な治療と不屈の精神力が幸いして'生還したという。

2人は協力し、ついに世界的犯罪組織CRISの影を掴んだのであった。


「お前が俺と同じ経験をしたと聞いた時は驚いたもんだ。しかも俺より遥かに困難な道を越えてきたんだからな」


坪倉はメイフに言われた冥界の道は‘256通り'だったという。


「僕は‘生還の道は数万の中でたったひとつ'て言われましたからね」


「おそらく、体の損傷から判断された生還の難しさが、冥界の道の多さ、困難さに結び付いているんだろう。そして身に付く能力も、困難な道を戻って来た者の方が大きい、と思う。俺には2次世界の能力はないし、とるに足らんものだ」
< 206 / 265 >

この作品をシェア

pagetop