二重世界
アオの心の声……!?


そんな……
そんな事を思われたら、私はどうすればいいの?

私が彼を拒んだら、この人はこの世で1人ぼっちになってしまうって事?


アオは凄い能力を持っている。ヤツらが恐れ、その存在を抹殺しようとする程の。


でも私には、私だけにはわかってしまうんだ。

私だけにしか、わかってあげられないんだ。



彼の、弱さを……



そんな考えが浮かんだ時点で、私にはアオを拒む事など出来るはずもなかった。


気が付くと私の手は、アオの手を握り返していた。


私はこの人の傍にいてあげなきゃいけない。



この人の傍に……



いたい……。




「んっ……」




とうとう私は、アオの唇を、そしてアオの想いを受け入れてしまった。
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