二重世界
私は亮ちゃんの事が好きなのに。
亮ちゃんの温もりを感じたい、と思っていたはずなのに。


どうして出会ったばかりのアオと、こんな事をしているんだろう。

私の体がアオを求めたわけじゃない。
私はアオの事が好きなのかもわからない。

でも私の心は、アオを受け入れたのだ。受け入れずにはいられなかった。


それはつまり、アオの全てを受け入れるという事。


アオの唇が顔から離れ、私の首筋に吸い付いた。


「あっ……!」


私の体がビクンッと波打ち、アオを抱き締める両腕に力がこもる。

アオの右手が私の太ももを下から上へと這う。


「はっ……あぁ…!」


私はこのまま、アオと一緒に……





ピンポーン





「亮ちゃん!?……ダ、ダメ!」


私は咄嗟にアオを突き放し、上半身を起き上げた。めくれ上がったスカートを直し、自分の唇を触る。


「わ、私……」


「ヒロミ……」
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