二重世界
その後、簡単に自己紹介をした沢崎先生は、生徒からの質問に答えたりして、和やかにホームルームを終えた。
質問は大抵女子からで、結婚してるのか、家はどこだ、趣味は何だと、およそ学業に関係ない事ばかりで、男子の怒りにも似た空気が印象的だった。
ちなみに、年齢は28歳だった。こんな情報、本当かどうかわからないけど。
沢崎先生は私の苦手な英語の担当との事。
「ねえ詩織、格好良い先生だったね。でも何だかあたしは嫌いだけど」
「そ、そうだね。私も、ちょっと苦手かも……」
今日は英語の授業は最後の5限目。何事もなく終われば良いけど……。
昼休み、私は香織と屋上でお弁当を食べている。
「温かいね、もう暑いくらい」
「もうすぐ6月だもんね。あたしの嫌いな梅雨が来ちゃうよ~。……でさ、詩織、朝の話って……。藤堂と何かあったの?」
……やっぱり来たか。
うまく話さないと。
「う、うん。実はね……」
私はアオを、昔よく遊んだお兄ちゃんみたいな人に仕立てあげ、昨日の出来事を話した。
質問は大抵女子からで、結婚してるのか、家はどこだ、趣味は何だと、およそ学業に関係ない事ばかりで、男子の怒りにも似た空気が印象的だった。
ちなみに、年齢は28歳だった。こんな情報、本当かどうかわからないけど。
沢崎先生は私の苦手な英語の担当との事。
「ねえ詩織、格好良い先生だったね。でも何だかあたしは嫌いだけど」
「そ、そうだね。私も、ちょっと苦手かも……」
今日は英語の授業は最後の5限目。何事もなく終われば良いけど……。
昼休み、私は香織と屋上でお弁当を食べている。
「温かいね、もう暑いくらい」
「もうすぐ6月だもんね。あたしの嫌いな梅雨が来ちゃうよ~。……でさ、詩織、朝の話って……。藤堂と何かあったの?」
……やっぱり来たか。
うまく話さないと。
「う、うん。実はね……」
私はアオを、昔よく遊んだお兄ちゃんみたいな人に仕立てあげ、昨日の出来事を話した。