二重世界
それにアオの辛い状況もわかってるから、余計に感情移入してしまうのも、要因なのかも。


「詩織そんな顔しないでよ~。あたしは詩織の事大好きだから心配しないで!ん~~」


「わぁっ、ちょっと!!」


私が考え込んでいる姿を、香織は違う意味で捉えたらしく、急に抱き着いてキスしようとしてきた。


「もう、いいじゃない。この前キスしたんだしさあ」


勝手に‘された'んだけど。しかも……


「私のファーストキス返せ~!」


「あはは、詩織が怒った」


私は香織を追い回し、屋上で散々食後の運動をした後、教室に戻った。


5限目は、あいつの授業だ……。
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