二重世界
放課後、私は職員室を訪れた。


「さて、片瀬さん。君は英語さえ出来れば良い大学を目指せる。僕としてはちゃんと勉強して欲しいんだがね」


沢崎は私の書類を見ながら、担任としていかにもらしい話を振った。


「……先生、普通の人じゃないんでしょ？私を始末しに来たの？」


私は警戒心を露にして、挑発的な言葉を投げ掛けた。


「言ってる意味がわからないな」


「とぼけないで！」


「ははは、よくわからんが、こんなところで何かすると思うかい？それに……」


そう言うと沢崎の目が急にまぶしい光を放った。
私はモロにその光を見てしまい、視界が眩む。



「……やり方はいくらでもあるんだよ？」



しまった！
目を開けていられない……。声も出せない。こいつの能力なの……？
私は立ち眩みのように体のバランスを崩し、その場に倒れ込んでしまった。
職員室がざわついているのがわかる。
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表紙・目次

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