二重世界
まさかいきなり仕掛けてくるなんて。
「片瀬、大丈夫か!?保健室に連れていきます!」
(こいつ、白々しい事を……)
沢崎はそのまま、私を担いで職員室を出た。
廊下を出て、階段を下りている感覚がわかる。
どこに連れて行く気……?
沢崎がドアをノックすると、「どうぞ」と声がする。保険室の、葵 瑞希(あおい みずき)先生の声だ。
(え?本当に保健室に?)
「新任の沢崎先生。……詩織ちゃんどうかしたんですか?」
「貧血みたいです。少し寝かせれば大丈夫かと思いますが」
「そうですか。あ、沢崎先生、時間あります?」
「ええ」
「私、少し出るので、ここで様子見がてら、留守番頼んじゃっていいかしら?」
「片瀬の様子も気になりますから、わかりました。ごゆっくり……」
(まさか、こいつ知ってたの!?葵先生、行かないで……!)
しかし私の願いも虚しく、葵先生は「お願いしますね~」という言葉を残して出ていった。
「片瀬、大丈夫か!?保健室に連れていきます!」
(こいつ、白々しい事を……)
沢崎はそのまま、私を担いで職員室を出た。
廊下を出て、階段を下りている感覚がわかる。
どこに連れて行く気……?
沢崎がドアをノックすると、「どうぞ」と声がする。保険室の、葵 瑞希(あおい みずき)先生の声だ。
(え?本当に保健室に?)
「新任の沢崎先生。……詩織ちゃんどうかしたんですか?」
「貧血みたいです。少し寝かせれば大丈夫かと思いますが」
「そうですか。あ、沢崎先生、時間あります?」
「ええ」
「私、少し出るので、ここで様子見がてら、留守番頼んじゃっていいかしら?」
「片瀬の様子も気になりますから、わかりました。ごゆっくり……」
(まさか、こいつ知ってたの!?葵先生、行かないで……!)
しかし私の願いも虚しく、葵先生は「お願いしますね~」という言葉を残して出ていった。