二重世界
牧野さんだ。
家のチャイムが鳴る。
私は一応、ドア越しに牧野さんの顔を確認してからドアを開けた。


「おはよう片瀬さん。ていうか、僕がいる事がわかってたのか。すごいな君は」


「あ、いえ……。居てくれてるかなあ、て期待を込めて」


気付いたのはアオだけど。今はアオについては影も感じさせない方が良い。
だって彼は犯罪者だもの。
いくら味方になったからって、警察という立場上、犯罪者を放っておくわけにはいかないだろう。
しかも元組織の人間を。


「片瀬さん、もし都合が良ければ、警察で先輩と一緒に話を聞いてもいいかい?」


「はい。喜んで」


そして私は牧野さんに付いていき、警察へと向かった。


その頃、亮ちゃんは部活の練習へ行くために学校へと向かっていた。
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