二重世界
「お前、なんでそんなにテンション上がってんだよ?」


亮ちゃんが呆れたように話しかける。


「当たり前でしょう。これから詩織との濃密な時間が待ってるのよ。まずは一緒にお風呂に入って、楽しくおしゃべりして、一緒に寝て、それから……うふっ」


一緒に寝て終わりじゃないの……?


「前々から思ってたんだけどよ、お前と片瀬ってどういう関係だよ……」


「知りたければ藤堂も来ていいわよ♪一緒に詩織に色々しよっか」


「バ、バカ言ってんじゃねえ!じゃあ俺こっちだから」


ほ、本当に心配になってきた。一体香織はどこまで本気なのかしら……。まさか全部本気だったりして。ま、まさかね。。


「あ、藤堂くん……」


「ん?」


「また……ね」


「あ、ああ。三輪に襲われないように気を付けろよ。……じゃあな」


私は歩いていく亮ちゃんの背中を眺めていた。
久し振りに一緒の時間を過ごせて、本当に楽しかったよ亮ちゃん。


「さあ、あたし達の愛の巣にレッツゴー!」


「あはは……」
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