二重世界
シャワーを出た私は、学校に行く時間には早いので、コンビニへ朝食の買い出しに出掛ける事にした。
コンビニへ行くには、元・私の家の前を通る。朝の6時過ぎか。いつもならお母さんが庭の花に水を……
「お母さん…」
……庭の花に水をやる、お母さんの姿が目に入った。
「あら、あなた昨日の。家近いのね?」
私はまた立ち止まってしまっていた。何か話さなきゃ。
「あ…はい。昨日はすみませんでした。ヒロミとはよく遊んでたから……。私、片瀬詩織って言います」
お母さんに対して敬語で話さなきゃならないなんて、何だか寂しいし、切ない。
「まあ、こんなに可愛い子が友達にいたなんて知らなかったわ。よかったら線香でも上げていって。ヒロミも喜ぶわ」
「え……、でも…」
「まだ学校には早いわよね?朝ご飯は……ああ、詩織ちゃんのご両親と一緒に食べるわよね、ごめんなさい」
「あ、いえ、両親は二年前に事故で……。私は今一人暮らしなんです」
そう言うとお母さんは、少し慌てた口調で謝ってきた。
コンビニへ行くには、元・私の家の前を通る。朝の6時過ぎか。いつもならお母さんが庭の花に水を……
「お母さん…」
……庭の花に水をやる、お母さんの姿が目に入った。
「あら、あなた昨日の。家近いのね?」
私はまた立ち止まってしまっていた。何か話さなきゃ。
「あ…はい。昨日はすみませんでした。ヒロミとはよく遊んでたから……。私、片瀬詩織って言います」
お母さんに対して敬語で話さなきゃならないなんて、何だか寂しいし、切ない。
「まあ、こんなに可愛い子が友達にいたなんて知らなかったわ。よかったら線香でも上げていって。ヒロミも喜ぶわ」
「え……、でも…」
「まだ学校には早いわよね?朝ご飯は……ああ、詩織ちゃんのご両親と一緒に食べるわよね、ごめんなさい」
「あ、いえ、両親は二年前に事故で……。私は今一人暮らしなんです」
そう言うとお母さんは、少し慌てた口調で謝ってきた。