二重世界
助け船を出してくれたのは、後ろに座ってる、え~と……三輪 香織ちゃん。
「詩織は可愛いのに隙だらけだから、あたしが守らなきゃね」
「はは、ありがと……」
そうだ。この子は私、片瀬詩織の親友で、空手をやってる活発な女の子。
話しているうちに記憶が流れ込んでくる。なんか不思議な感じ。
皆が注目する中、一人だけ無関心な男子生徒が私の視界に入る。
教室に入ったときから、私は彼の事をずっと探していた。
藤堂 亮二。
亮ちゃん。
私が藤瀬ヒロミだった頃の幼馴染みだ。男の子に免疫のない私が、唯一気兼ねなく話が出来る相手。
私の初恋の男の子……。
「藤堂ね、幼馴染みの子を交通事故で亡くしたらしいのよ」
私の視線の方向に気付いた香織が、そう話す。
「そ、そうなんだ」
「朝からずっとあの調子。さすがのあたしも、なんて話し掛けていいのか……。藤堂がずっと好きだった子だからさ」
……え!?
亮ちゃんが私の事を……?
「詩織は可愛いのに隙だらけだから、あたしが守らなきゃね」
「はは、ありがと……」
そうだ。この子は私、片瀬詩織の親友で、空手をやってる活発な女の子。
話しているうちに記憶が流れ込んでくる。なんか不思議な感じ。
皆が注目する中、一人だけ無関心な男子生徒が私の視界に入る。
教室に入ったときから、私は彼の事をずっと探していた。
藤堂 亮二。
亮ちゃん。
私が藤瀬ヒロミだった頃の幼馴染みだ。男の子に免疫のない私が、唯一気兼ねなく話が出来る相手。
私の初恋の男の子……。
「藤堂ね、幼馴染みの子を交通事故で亡くしたらしいのよ」
私の視線の方向に気付いた香織が、そう話す。
「そ、そうなんだ」
「朝からずっとあの調子。さすがのあたしも、なんて話し掛けていいのか……。藤堂がずっと好きだった子だからさ」
……え!?
亮ちゃんが私の事を……?