二重世界
冥界の門
「よくぞ冥界の門へいらっしゃいました。私はここの管理人のメイフと申します。あなたはこれから、どの冥界へ行くかを選択せねばなりません」


私、藤瀬（ふじせ）ヒロミはどうやら死んだらしい。死因はトラックに轢かれての即死。

でも本当の意味で私を殺したのはあの男だ。夢の中で何度も何度も私を追い詰めた、あの男。


「君はこの一年間、不思議な夢を見ていたようだね」


メイフは私の夢の事を知っていた。まあ冥界の管理人というくらいだから知っていても不思議ではない。

そう。私は何度も夢を見ていた。そしてその夢で、私はいつも最終的に殺される。いや、正確に言うと、殺される一歩手前で目が覚める。
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表紙・目次

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