二重世界
あ、つい……。


「え?知ってるの?」


「い、いや!そのくらいあったんじゃないかなあ、て!」


「まあ、背中から肉を一生懸命かき集めてようやくBね」


正解。。
私はため息をついて前を向く。


「何ため息ついてんの?……そりゃ!」


香織が、掛け声とともに後ろから私の胸を鷲掴みにする。


「ちょ…!何してんの!?」


「巨乳で形の良いバスト。これを揉む権利はあたしだけにあるのだ!」


「やめ……あ!ちょっと、もう!」


せ、正確に私の突起部分を……。私は焦って香織の手を振りほどく。

ふと頭を上げると、さっきとは違った視線が私に降り注いでいた。


一斉に前を向く男子達。


は、恥ずかしい……。
多分、今、顔が真っ赤だな私。


「可愛いねえ、顔を真っ赤にしちゃって。だから守りたくなっちゃうのよね」


「ま、真っ赤なのは香織のせいでしょ!」

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