二重世界
私達は改札を通り、2人で帰路につく。亮ちゃんの家は、藤瀬家を通り過ぎて左に曲がってすぐだ。
つまり、駅からの帰り道はほぼ一緒というわけ。
いつも一緒だったのに、なんだか今日は少し緊張するな。
「亮……藤堂くん、今日部活は?」
「ああ、今日は休んだ。いっそのこと動いてた方が、何も考えないで良いかもしんねえけど……何でもねえ」
それはきっと私のせいだ。私が死んだから、亮ちゃんも元気がないのかな。
その後、特に会話らしい会話もなく、私達はてくてく歩く。
亮ちゃんと一緒に帰るときは、私が左側。私はいつも心が弾んでいて、歩道の白線の上を歩いたり、壁に落書きされた犬の鼻をツンとつつきながら帰っていた。
そして今も、私は無意識にその行動をとっていたみたい。
「……ヒロミ」
「なあに?……あ、ごめん!」
ヤバ……!
つい返事しちゃった。それに何で謝ってるのよ!
つまり、駅からの帰り道はほぼ一緒というわけ。
いつも一緒だったのに、なんだか今日は少し緊張するな。
「亮……藤堂くん、今日部活は?」
「ああ、今日は休んだ。いっそのこと動いてた方が、何も考えないで良いかもしんねえけど……何でもねえ」
それはきっと私のせいだ。私が死んだから、亮ちゃんも元気がないのかな。
その後、特に会話らしい会話もなく、私達はてくてく歩く。
亮ちゃんと一緒に帰るときは、私が左側。私はいつも心が弾んでいて、歩道の白線の上を歩いたり、壁に落書きされた犬の鼻をツンとつつきながら帰っていた。
そして今も、私は無意識にその行動をとっていたみたい。
「……ヒロミ」
「なあに?……あ、ごめん!」
ヤバ……!
つい返事しちゃった。それに何で謝ってるのよ!