二重世界

「いただきます！……う～ん美味しい！やっぱり……、あ、あの、おばさん？」


お母さんは、朝ご飯を食べる私をじ～っと見ている。やっぱりさっきの発言で怪しまれたかしら？

でも、むしろ気付いて欲しい。だって私が自分で、藤瀬ヒロミである事を言わなきゃ良いんでしょ？

だったら、私だとわかる行動を取れば……。




‘意識して間接的に伝える事もルールに触れるよ'




メイフ！？


「声を出しても大丈夫。今は時間を止めているから」


「メイフ、今のは……？」


「伝え忘れた事を教えるよ。さっき君に言った事もそう。更に、藤瀬ヒロミを知っている者に、君が藤瀬ヒロミだと気付かれた時、君は冥界に送られる。ただし‘蘇りの者'以外だ。気をつけて行動するように」


メイフは、絶望的なルールを私に伝えた。


「それじゃあ私、やっぱり一生片瀬詩織として生きなきゃいけないのね……」