二重世界
そのまま顔をグリグリされ、気付くと私のセーラー服が、胸の下くらいまでずり上げられている……。


「あ、香織、ダメ!ストップ!!」


またもや男子の熱視線を浴び、香織をひきずりながら私は席についた。

隣の南くんは鼻血を垂らしながら、これ以上ないくらいの笑顔で親指を立てている。


「三輪、グッ!次はもっとアグレッシブなやつ頼む!」


これ以上にアグレッシブな事されたらどうなっちゃうのよ。。

この人、顔は格好良いんだけど、変態だから彼女いないのね……。


「ねえ詩織、明日ドリームランド行くでしょ?」


香織がメールしてくれた件。ドリームランドとは、日本最大のテーマパークで、1日かけても回りきれない程の広大な面積を誇る。


「もちろん!久し振りで楽しみ~!」


少し気分を晴らしたいし、ドリームランドは中学3年の時以来だから胸踊る。

あのときは、亮ちゃん含めた男女4人で行ったんだ。ダブルデートみたいで楽しかったな。
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