二重世界
「え、藤堂も!?南のやつ、なかなか使えるじゃない!詩織、南はあたしが相手しといたげるから、あんた頑張りなさいよ!よし4人で行くわよ!」


香織が目を輝かせている。香織なりの優しさなんだけど、今はとても……。


「え…と…、でも香織と2人の方が思い切り楽しめるかも……なんて」


私はどうしていいかわからず、微妙に2人で行く方向性を伝えた。


「詩織、そんなに私の事を……。わかった!」


「わ、わかってくれた……?」


「ドリームランドの帰りは詩織の家に泊まって、たっぷり愛してあげる!!」


「違~う!!」


「南、仕方ないから一緒に行ってあげてもいいわよ」


‘たっぷり愛してあげる'て。香織なら本当にやりかねない……。なんか、ドツボにはまってる気が。。


「じゃあ明日は9時に東京駅な!」


まだ授業始まってもいないのに、何なの、この会話。

南くんは男子の羨望の眼差しを受けながら席に着く。
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