二重世界
今日は良く寝たせいか、今のところ眠気はない。それとも、夢自体が能力だったから、12時間も寝てたんだろうか。


「多分そうだろうな」


この後、順調に授業を受け、私は武蔵警察署に向かった。


「警察署に行くなんて初めてだから、なんかちょっと緊張するな」


警察署には長い警棒を持ったお巡りさんが立っていて、中に入るとき軽く会釈をしてくれた。

中に入ると、受付の机が横長に並んでいて、私は自分の名前と、坪倉さんの名前を告げる。


「坪倉警部ですか…?」


「はい」


何だろう?
何か驚いた顔をされてしまった。


しばらく待つと、爽やかな見た目の、20代後半くらいの男性がやって来た。


「呼び出してすまないね。僕は電話をかけた牧野です。上に行こうか」


警察官だから体の大きな人をイメージしていたが、牧野さんは多分170cmくらいで体つきもゴツい感じはしない。

優しそうな笑顔は、私の緊張感を和らげた。
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