二重世界
4人揃ったところで、ドリームランド方面の電車に乗り込む。電車の中では香織と私、亮ちゃんと南くんがそれぞれ話しをしていた。


「ねえ詩織、藤堂と一緒に来たんでしょ?どうだった?」


「いや、その、喧嘩しながら来ちゃった」


「喧嘩!?あんた達何が原因で喧嘩なんかするの?ていうか、詩織怒るんだ、意外~」


「はは、自分でもびっくり……」


片瀬詩織は、きっと穏やかで可愛らしい性格の女の子だったんだろうな。私とは大違い。さっきはつい、私を出してしまった。気をつけないといけない。

でも、喧嘩してわめいてただけだけど、亮ちゃんと自然に会話出来たような気がしたな。


「着いたぜ!レディー達!」


「うるさいわね、さっきから。‘レディー達’って気持ち悪いからやめてよね」


「三輪、夢の国で夢のない事言うなよなあ」


南くんの発言に香織がツッコミを入れる。この2人、結構お似合いかも。て、変態の南くんを押しつけるのは香織に失礼か。

見た目はお似合い、て事にしておくわね。
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