二重世界
「おい、ちょっと便所行ってくるからここにいろよ!」


亮ちゃん、なんか朝と少し違う。刺々しい感じが薄れてる気がする。

そんな事を考えて顔を上げると、ふと私の視界にあるお店が入ってきた。

ドリームランドのキャラクターグッズやお菓子が売ってる、思い出のお土産として、皆帰りに立ち寄るお店。

私はつい、そのお店に足を運ぶ。だってここは、亮ちゃんが私にプレゼントを買ってくれた思い出の場所だから。




「あ、片瀬のやつ、いねえじゃねえか!どこに……。ん、あの店にいるの、片瀬だな?ったくよお……」




私はほとんど売れてない、マイナーなキャラクターのキーホルダーを手に取り、昔を思い出していた。



‘ヒロミ、何か買ってやるよ'


‘私、これがいいな'


‘え?これ、何のキャラクターだよ?'
< 91 / 265 >

この作品をシェア

pagetop