二重世界
‘マイナーキャラ'


‘あのよお、このお土産は、その、俺達の思い出になるんだぜ……?'


‘これ買ってく人ほとんどいないから。私と亮ちゃんだけの思い出だよ'



「ふふ……」


「片瀬、何見てやがんだよ……。え!?あれは、俺がヒロミにプレゼントした……。ん?」


「君、可愛いね。友達と一緒に来てんの?」


私がキーホルダーを見ていると、2人のチャラチャラした男が話し掛けてきた。


「は、はい。向こうにいるので……」


「はぐれちゃった?俺らも今はぐれちゃってさ。一緒に探してやるよ」


1人が私の肩を抱くようにして、外に出ようとする。


「あ、あの、大丈夫ですから!」


ひきずられるように出口に出た私達の前に、ヌッと人影が現れる。
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