二重世界
「探したぜヒロミ。こいつら友達……じゃねえよなあ?」


亮ちゃんだ。でも‘ヒロミ'って。


「う、うん。知らない人達」


「う、で、でかい……」


亮ちゃんに睨まれたチャラ男2人は、私の肩に回していた手を離し、明らかに怖じ気づいている。


「俺の女になんか用か?」


「い、いや、はぐれたって聞いてよ。一緒に探してあげようと思ってたんだ。み、見つかって良かったじゃん」


「ふん、行くぞヒロミ」


亮ちゃんは私の手を取って、ベンチに向かって歩き出した。私は、大股で歩く亮ちゃんに置いてかれないよう、やや小走りでついていく。


「あ、あの……ありがとう」


亮ちゃんはベンチに着くと手を離し、私を座らせた。


「お前よお、ここにいろつっただろ!」
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