二重世界
「それで?昔、誰かに、貰ったとか……?」
亮ちゃんに……
亮ちゃんと私だけの思い出の……!
「…………ううん。別に思い出なんか全くないよ」
「はっ、そうかよ……」
これでいいんだ。
だってそう言わないと、こうして顔を見る事すら出来なくなっちゃうから。
私はあなたの顔を見られるだけで、声を聞けるだけでも、嬉しいから……。
ねえ亮ちゃん、あなたはさっき、誰を助けようとしてくれたの?
片瀬詩織の事?
それとも……
藤瀬ヒロミの事?
亮ちゃんは優しいから、片瀬詩織の事を助けたのかもしれない。でも、そうだったら私、少し嫉妬しちゃうよ。
顔を見られるだけで嬉しい。声を聞けるだけでも嬉しい。
でもね、やっぱり私は……
藤瀬ヒロミとして、あなたの温もりを感じたいんだよ、亮ちゃん。
思い出がないなんて、嘘ついてごめんね……。
亮ちゃんに……
亮ちゃんと私だけの思い出の……!
「…………ううん。別に思い出なんか全くないよ」
「はっ、そうかよ……」
これでいいんだ。
だってそう言わないと、こうして顔を見る事すら出来なくなっちゃうから。
私はあなたの顔を見られるだけで、声を聞けるだけでも、嬉しいから……。
ねえ亮ちゃん、あなたはさっき、誰を助けようとしてくれたの?
片瀬詩織の事?
それとも……
藤瀬ヒロミの事?
亮ちゃんは優しいから、片瀬詩織の事を助けたのかもしれない。でも、そうだったら私、少し嫉妬しちゃうよ。
顔を見られるだけで嬉しい。声を聞けるだけでも嬉しい。
でもね、やっぱり私は……
藤瀬ヒロミとして、あなたの温もりを感じたいんだよ、亮ちゃん。
思い出がないなんて、嘘ついてごめんね……。