【短編】偽りの幸福☆
彼が、死んだ?死・・・んだ?


ううん、違うよ。



だって、彼はそこのソファーに座って、



私達を無言で眺めているもの。



でも、頭の中に霧がかかっているように、



重くて苦しい。




昨日、何かがあった気がする。



だけど思い出せない。




「姉さんの彼氏はなぁ!昨日死んだんだよ!」



あっ・・・!!



待ち合わせ場所に行った時、



そこに彼の姿はなくて。




でも、事故があったと教えてもらったんだ・・・




「まだ若いのに、可愛そうに」



「彼女と待ち合わせしていたんだって」



「居眠り運転の車が突っ込んで来て、即死だったらしいよ」



「あぁ、あの子が彼女?あんなに泣いて大丈夫?」



「ねぇ元気を出して・・・」




・・・思い出した。



そうだ、彼は昨日、死んだんだ・・・

< 5 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop