『ヴァンパイア』短編・6ページ・完
科学の進歩した現代。しかし、世の中には科学では理解できないことがまだまだたくさんあるのだ。
そう、たとえばバンパイア。
16世紀初頭に世界中を恐怖のどん底に突き落とした人外の存在は現代の社会の中にもひっそりと、だが確実に存在するのだ。


・・・っていうか俺のすぐ隣に存在したーっ。

俺は授業が終わって放課後、勇気を振り絞って聞いてみたんだ。

「あのさ、真由子ってバンパイヤだって本当?」

「な、な何言ってるの??」

「いや、ちょっと風の噂で聞いたものだから」

「あんた、まさか幼なじみの私を・・・幼稚園のころからずっと一緒にいるのに・・・今更バンパイアだって気がついたの?」

「いや、だってバンパイアなんて珍しいから」

「そんなのRHーの人の方が珍しいでしょ?」

「それはそうだけど」

「”麹町”を”めんまち”って呼んじゃう人の方がめずらしいわ」

「俺のことはどうでもいいんだよっ!」

「でも…そうなんだ。俺に襲いかかってきたりするなよ?」

「襲いかかる???あ、あんた、何、バカなことを言ってるのよ。どうして私から襲いかかって・・・」
なぜかみるみる赤面してゆく真由子

「そういうのはあんたの方から・・・ってあほかーっ!!」

「??!っ…ボケてないのにつっこまれた」

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