【短編】復讐される人
妻・冬美は、家に様子を見に来る春美の腕にすがって、



子どものように甘えていた。




困惑した春美は、妻ではなく僕を見ていた。



助けて・・・そう言っているみたいだった。




幼い明は、春美が育ててくれていた。




妻は、我が子である明を知らない子のように、



遠巻きに眺めているだけだったし、



面倒なんてみるはずがなかった。



自分の家の中には、妹と、知らない者たちがいる。



やはり妻は、おもちゃの電話にそう語っていた。


< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop