【短編】復讐される人
妻は、僕を指さして、



「春美ちゃんの恋人?」そんな風に春美に聞いたりしていたこともあった。




ある日、僕はとうとう妻を病院に連れていった。




入院が決まり、自宅に戻った僕は、



妻の荷物をまとめ始めた。




これからしばらくは、妻は入院していない。




正直、ほっとする。




春美と明と三人で暮らしていこう、と考えていると




妻が寂しそうに笑いながら、



台所から包丁を持って来た・・・




「どうしたんだ、冬美。



危ないからそんなものを持ってくるんじゃな・・・い・・・」




本当の恐怖を僕は感じていた。
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