闇に映えるは儚き桜
親
ピピピッ…ピピピッ…カチッ
「ふぁ………」
欠伸を噛み殺す
時計は午後9時を指している
スウェットを脱いで、洋服に着替える。
鏡で顔をチェック
「なんとか…ごまかせるかな」
まだ少しだけ赤いが腫れは大分引いていた。
「でも、一応…隠さないと」
メイク道具の入っている籠からファンデーションを出して赤みがかった頬を隠す
「お腹…減ったな」
まだ蹴られたところが痛む。
服で隠してるけど、痣になっているはず。
「慣れって…怖いものね」
独り呟いて鏡の中の自分に嘲笑してから部屋をでてリビングに向かう
廊下には美味しそうな料理の匂いが漂っている
ガチャ…
リビングの扉を開けた