闇に映えるは儚き桜
 
「ごちそうさま。」

それだけ言って、部屋に戻る。
父も母もまるで自室に閉じ籠るようにリビングからでたのがわかった。

「10時……」

鏡を見る
無表情で冷たい顔がそこにある


「少しだけ、」

少しだけ、オシャレをしよう

あの声で
あの笑顔で

〝可愛い〟

って言ってほしいから。



「この…気持ちは…何」



まだ、知るには早い


そんな気がした。





 
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