闇に映えるは儚き桜
 
「漆歌ちゃんって、何歳?」

「16歳。高校1年生」

君は驚いた表情をして呟いた。

「年上だと思った…」

「え?」

「大人っぽかったから。同い年だとは思わなかった。」

「じゃあ、麗樹くんも16歳?」

「うん。」

同い年だったんだ。

「私も、年上だと思ってた」

本心を言うと、君は微笑んだ

ドキンッ…

顔が、熱い
鼓動が、早い

どうしたの?変なものでも食べたっけ?具合は悪くないけど…

「漆歌ちゃん?大丈夫?」

「あ、はい。」

吃驚して声裏返った…
恥ずかし……
麗樹くん笑ってるし…

「はい。って……クスクス」

し、仕方ないじゃん
目の前に顔があったんだから。

私、可笑しい…
こんなに動揺したこと無いのに

「わ、笑わないでってば!」

体育座りして、顔を埋める
しばらくして頭には優しい感覚

「ごめん、機嫌直してよ。」

少し悲しそうに呟くから

「仕方ないから、許す」

顔は埋めたまま。

「ありがとう。漆歌ちゃん」

声が嬉しそうに優しくなった。


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