闇に映えるは儚き桜
どんなに望んでも、願っても、楽しい時間はすぐ終わる
「そろそろ、時間だ」
「もう、行くの?」
「時間だからね。」
そう言って私の頭を撫でる君が寂しそうに微笑んだように見えたのは、気のせいなの?
「あ、いい忘れた」
「なに?」
「可愛いね。」
それじゃあ。
遠くなっていく背中
私は顔を赤く染めて見送った
綺麗な桃色の花弁が
風に吹かれて
華麗に舞うなかで
私は、ただ
君の寂しそうな微笑みの意味を探してた。