闇に映えるは儚き桜
逢
季節は、春
夜の河原に私はいる
桜並木の中でも一際大きな桜
そこの根本に座り込む
「今日も綺麗だ。」
ここは唯一の、私の居場所
「落ち着く…」
静かな空間が好き
静かに目を閉じる
「♪~~♪~、♪~♪~~~」
最近、人気の深夜ドラマの曲を口ずさむ
「ねぇ、君…」
「え?」
目の前には男の子
綺麗で、儚げで、桃色の花弁が似合うような…不思議な空気を纏った
君が居たんだ。