闇に映えるは儚き桜
朝
ガチャリ…
鍵を開ける。
「ただい…ま…」
「お帰り。漆歌ちゃん。」
玄関にいたのは、大嫌いな奴
無視して部屋へ向かおうと横を通りすぎようとした。
「どこいくの?漆歌ちゃん」
捕まれた手首が痛い。
「離してよ。気持ち悪い。」
「躾が足りないようだね。」
グイグイと引っ張られる
「やめてってば!」
心の中で助けを求める
誰も来ないのはわかってる
それでも求めてしまうのは…
私が、弱いから。