最後のおくりもの


「はぁ…」

気がついたら私はため息をついていた。

ここにいても仕方がない。

ふっと思いたった場所。
それはー…

「…屋上行こ」

屋上だった。

なぜだか無性に風に当たりたくなったからだ。

…冬だしきっと寒いだろうけど。

病室の扉をゆっくりと閉め、屋上へ向かった。

夜中だけあって廊下は少し暗かった。

…ちょっと怖い。

それでも小さな光を頼りになんとか屋上へ繋がる階段まで来ることかできた。

カツカツ

私の階段を上がる音だけがやけに響いている。

階段を上がり終わると、なぜか屋上への扉は開いていた。

「ん?…誰かいるのかな?」


恐る恐る屋上へと足を踏み入れた。

ビュー

すると、いきなり強い風が吹いた。

「うわっ」

私はびっくりして目を閉じてしまった。


しばらくして風が止んだので、ゆっくりと目を開けた。


「……っっ」

目の前の光景に私は思わず息が詰まってしまって声が出なかった。

目の前には私より少し年上くらいの男の子が泣いていた。


初めて泣いている人を綺麗だと思った。

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