最後のおくりもの
再び
一樹と出逢ってから早3日。
私の父親は明日退院だそうだ。
「良かったね、美奈ちゃん」
看護師さんが優しく笑顔でそう言ってきた。
「ありがとうございます」
真顔で返しておいた。
…別に嬉しくもないしね。
一樹どうしてるだろ。
一樹とあのあと別れてから3日がたったけど、まだ会いに行っていない。
すごい会いたい。
そう思っている自分がいる。
…今日会いに行ってみようかなぁ。
よし。会いに行こう。
思い立ったらすぐ行動。
病院の1階にある受付まで行き、看護師さんに聞いてみた。
「この病院に"一樹"っていう男の子がいると思うんですけどー…病室は何号室ですか?」
「少々お待ちください」
そういい看護師さんはパソコンで調べ始めた。
すこしして、調べたらしい看護師さんが口を開いた。
「斉賀一樹君ですね。彼の病室は5階の412号室になります」
「5階の412号室ですね、ありがとうございました」
お礼をいい、すぐに5階へと足を運んだ。