最後のおくりもの
出逢い

家までの長い道のりを1人で歩く。

夜中なだけあり、車通りは少ない。

ましてや人なんて1人も歩いていない。


やっと家に着いた。

玄関を開けて、家に入る。

"ただいま"

なんて言葉は言わない。

返ってこないとわかっているからだ。

父親と顔も合わせたくないので、すぐに自分の部屋に向かおうと階段を上がろうとした。

でも足を止めた。

ちょっとリビングに目を向けたら父親が倒れていたから。

過去のトラウマの原因が例え自分の父親だったとしても、その前に私の父親に変わりはない。


急いでリビングに向かい、父親を抱き起こす。

気を失っているようだ。

私は自分の携帯で近くの病院に連絡を入れた。


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