最後のおくりもの


「ただの体調不良ですね」

医者の言葉に思わず口をポカンと開けたままの状態で固まってしまった。


…体調不良ごときで気ー失うんじゃねぇよ、くそ親父!!

私は心の中で父親に文句を言ってみた。

それくらいしてもバチは当たらないだろう。

「2、3日したら退院できますからね」

医者が私が固まっているのを心配してか、そんなことを言ってきた。

「…はぃ」

そう答えておいた。


精神的な疲れから、ぐったりしてしまった私は重い足を無理矢理動かし父親が眠っているであろう、病室へ向かった。

「…くそ親父め」

もう一度、今度は小さく口にして言ってみた。

少しスッキリした。



病室の前に着いて、そーっと扉を開けてみる。

「……」

どうやらくそ親父は寝ているらしい。
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