先生のバイク ~side先生~
「あの、大丈夫ですかっ???」
俺は、倒れてたらしい・・・。
目を覚ますと、俺の首には、白いマフラーが巻かれていて、体には、黒いコートがかかっていた。
そういえば、最近ろくに寝てなかったな・・・。
「あの、送りましょうか??」
なんだ、この女・・・。
「いやっ、大丈夫だよ。」
立とうと思ったとき、めまいがして、ベンチに座りこんでしまった。
やばい・・・。
これじゃ、帰るどころか、まともに歩けない。
・・・熱があるんだろう。
「やっぱり、お願いしてもいいかな・・・?」
女に送ってもらうなんて、ありえないけど、今日は仕方ない・・・。
俺は、ブレザーすら着ていなかったから、コートとマフラーを借りた。
女は、俺のそばを、ただ黙って歩いていた。
「あっ、切符買ってきます。」
その女は、切符を買いに行った。